業務改善

生成AIの相談前に作る業務メモ|話が進む6つの整理項目

生成AIの導入相談で、ツール名や課題を曖昧にしたまま終わらせないための業務メモを解説します。困りごと、入力情報、確認者、完成形を6項目で整理する方法を紹介します。

生成AIを仕事に使いたいと思っても、相談の場で「何ができるかを教えてほしい」で止まることがあります。相談相手が悪いわけではありません。日々の仕事は複数の人、資料、確認作業が重なっていて、困りごとを短い言葉にしにくいためです。そこで役に立つのが、相談前に作る業務メモです。立派な企画書は必要ありません。困っている場面を一つ選び、誰が何を確認し、どこまでをAIに任せないかを書くだけで、試すべき仕事が見えてきます。

IPAは、AIを開発する人材だけでなく、業務でAIを使いこなす人材の育成を案内しています。また、デジタルスキル標準では、全てのビジネスパーソン向けのDXリテラシーと、DXを推進する人材に必要な役割を分けて示しています。最初の相談で専門用語を並べるより、現場の担当者が説明できる仕事から始める方が、学びと実証をつなげやすくなります。

1.困っている仕事を、特定の場面で書く

「事務作業を効率化したい」では、対象が広すぎて比べられません。月末の請求確認、商談後の議事録整理、問い合わせへの一次回答、研修資料のたたき台のように、いつ誰が行うかが分かる場面を一つ選びます。仕事の名前ではなく、手が止まる瞬間を書くと、相談相手も状況を想像できます。

この時点で削減できる時間を推測する必要はありません。「毎週月曜に30分かかる」「確認先が二人いて返答待ちになる」のように、確認できる事実だけを書きます。数字がない場合も、作業の順番、作るもの、確認の回数を残せば、試した後に比べる基準になります。

  • いつ、どの仕事で手が止まるか
  • 誰が作業し、誰が確認するか
  • 今は何を見ながら、どの順番で進めているか

2.完成形と、AIに任せない判断を分ける

生成AIの相談では、入力文の作り方へ急ぎがちです。その前に、最後に何を受け取りたいかを決めます。会議メモなら決定事項、担当者、期限を含む共有文。問い合わせ対応なら、既存ルールを参照した回答案。提案準備なら、確認すべき条件を並べた下書きです。完成形が一つ決まると、AIへ渡す材料と、出力の確認方法を選べます。

同時に、AIに任せない判断も書きます。金額、契約条件、顧客への確定回答、人事評価、公開前の表現確認などは、人が判断する前提にします。AIは下書きや整理を担えても、責任の所在まで置き換えません。相談の段階でこの線を引くと、便利さだけを優先した設計を避けられます。

3.入力する情報と、入力しない情報を先に決める

相談用のメモには、実際の顧客名、連絡先、未公開の売上、契約書、従業員の評価を貼り付けません。仕事の種類、資料の項目、確認の流れを一般化して書けば、相談には十分です。たとえば「顧客Aの提案書」ではなく、「法人顧客向けの提案書で、要件、納期、費用の確認が必要」と置き換えます。

入力できる情報も、公開済み情報、社内で利用許可がある情報、匿名化した例に分けておくと、実証開始後に迷いません。利用するAIサービスの規約と、自社の情報管理ルールを確認することも必要です。分からない情報を無理に使わず、架空の例や公開情報で手順を試す選択肢を残します。

4.確認者と、確認する項目を一つずつ書く

AIの出力を誰も確認しないまま使う仕事は、最初の実証には向きません。作業した本人、上長、専門担当、顧客対応者など、内容に応じた確認者を決めます。確認者の名前がまだ決められない場合は、役割だけでも構いません。「営業責任者が金額を確認する」「総務担当が社内ルールとの一致を見る」のように書きます。

確認項目も、三つ程度から始めます。元資料にない事実が足されていないか、期限と担当者が抜けていないか、社外へ出せない情報が残っていないか。すべてをAIに判定させるのではなく、人が短時間で確かめられる項目にすることが大切です。

5.試す期間と、比較する記録を決める

最初から全社へ広げず、1業務を1人から数人で、2週間程度試します。期間中は、作業にかかった時間、修正した回数、使えなかった理由を残します。成果が出たかどうかを、印象だけで決めないためです。時間が短くなっても確認が増えたなら、手順を直す必要があります。

うまくいかなかった記録も、次の相談に役立ちます。入力が不足していたのか、完成形が曖昧だったのか、AIより既存の仕組みが向いていたのかを分けて振り返れます。AIを使うこと自体を成功条件にせず、仕事が安全に進めやすくなったかを基準にします。

6.相談後に持ち帰る判断を一つ決める

相談の終わりに「いろいろ分かった」で終わると、日常業務へ戻った時に動けなくなります。次に試す業務、入力しない情報、確認者、試す日を一つずつ決めます。相談相手から提案を受ける場合も、導入するサービスの名前だけでなく、誰が何を使い、どの記録を残すかまで確認します。

DOONのAI導入・業務改善支援では、最初に業務の場面を聞き、AIが下書きや整理を担う部分と、人が確認する部分を分けます。そのうえで、小さく試せる成果物と確認表を作り、現場で直しながら定着につなげます。相談前は、最近時間がかかった仕事を三つだけメモしておくと、最初に扱う一件を選びやすくなります。

よくある質問

生成AIの相談前に、どこまで資料を準備すればよいですか?
企画書や実際の社内資料は必須ではありません。困っている仕事の場面、今の進め方、完成させたいもの、確認する人を短く書けば十分です。顧客名、未公開数値、契約内容、個人情報は相談用メモへそのまま入れず、一般化した説明に置き換えます。
AIを使う業務は、どう選べばよいですか?
発生頻度があり、完成形が分かり、人が出力を確認できる業務から選びます。文章の下書き、会議メモの整理、公開情報の要約、問い合わせ回答案などが候補です。最初から顧客への確定回答や人事評価のような判断を自動化する用途には向きません。
時間削減の目標が決まっていなくても、相談できますか?
相談できます。最初は現在の作業時間、確認回数、止まりやすい場所を記録し、試した後と比べます。根拠のない削減率を先に置くより、作業の安全性、修正の負担、翌週も使える手順が残ったかを確かめる方が、次の判断に使えます。
社内情報をAIへ入力できるか分からない時はどうしますか?
利用するAIサービスの規約と、自社の情報管理ルールを確認してください。判断できない情報は入力せず、公開情報、匿名化した例、架空の題材で手順を試します。必要に応じて、情報管理の責任者や法務・セキュリティの担当者へ確認することが大切です。

参考資料

記事中の記入例や仕事の進め方は、DOONの実務提案です。公的資料に記載された要件とは区別して掲載しています。

制作・編集:DOON Inc.(AIを活用して制作)
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